大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)2925 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人桑名邦雄の上告趣意第一点について。

論旨は憲法三七条三項違反をいうが、同条項前段所定の権利は、被告人が自ら行

使すべきもので、裁判所は被告人にこの権利を行使する機会を与え、その行使を妨

げなければよいのである(昭和二四年(れ)二三八号同年一一月三〇日大法廷判決、)。

記録によると、被告人は第一審第一回公判期日前の昭和二七年七月一七日弁護士A

を、同年一一月二一日弁護士桑名邦雄を弁護人に選任したが右両弁護人のいずれを

も主任弁護人に指名しなかつた。第一審裁判所は第一回公判期日を昭和二七年一一

月二五日と指定し、右A弁護人に対し同公判期日通知書を郵便による送達をなし右

桑名弁護人は被告人と連署の弁護届を提出すると同時に右公判期日請書をも提出し

た。そこで、第一審裁判所は、右指定期日に公判を開廷したところ、桑名弁護人は

刑訴規則一七九条の四、一項の規定による公判期日の変更の請求をすることなく右

期日に出頭しなかつたので、同弁護人不出頭のまま右A弁護人立会の上審理を遂げ

判決の言渡をなし、同弁護人は右期日において異議なく弁論し、また、被告人は右

桑名弁護人の弁論等依頼のため公判期日の続行、延期を求めておらず、しかも、裁

判所が右桑名弁護人の弁論等を妨げた形跡は認めることができない。されば桑名弁

護人が右公判期日に出頭しなかつたのは自己の怠慢に起因するものであつて、原判

決の判断は相当である。されば原判決には所論の様な違法はなく、違憲の主張は前

記大法廷の判例に徴し理由がない。

同第二点について。

量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

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よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年一一月三〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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